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マレーシア市場を切り拓く!日本食に魅せられた現地スタッフ・ルーベンの視点

マレーシア・クアラルンプールで十割そばを提供しながら日本文化の企画展示会スペースを備える店舗「元年堂(がんねんどう)」。静岡の十割そば屋「元年堂」の海外一店舗目として2024年9月にオープン。日本企業やローカルの人々とのコラボレーションイベントなどを多数行い、リピーターを増やしながら『ここでしか味わえない日本の「体験」と「感性」』を発信しています。
今回は、元年堂マレーシア店の立ち上げから副店長としてお店を支えるルーベン・ラジ氏にインタビューを行いました。インド系マレーシア人の彼が日本食の世界に飛び込み、元年堂三島店での研修を経て、現在マレーシアで日本食の普及に情熱を注ぐまでの経緯、そしてプロモーション担当としていかに日本食をマレーシア市場に浸透させていくかについて伺いました。

Culture Link Malaysia. Sdn.Bhd

元年堂の運営母体。マレーシア・クアラルンプールで十割そばを提供する元年堂を運営しつつ、日本企業やアーティストなど日本文化、日本の作品を展示する“ギャラリースペース”を併設。海外進出支援やテストマーケティングのサポートを行っている。

▼元年堂マレーシアクアラルンプール
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登場人物

ルーベン・ラジ(Ruben Raj)

ローカル責任者/ローカライズマーケター(プロモーション担当)

元年堂のローカル責任者。
F&B業界11年目のプロフェッショナルとして、料理の品質管理やスタッフ教育を担当。西洋料理のレストランマネージャーを経て日本食に興味を持ち、クアラルンプールの伊勢丹ではフードコートのフロアマネージャーに従事。
元年堂入社後、日本での研修を経験し、そばの調理技術やレストラン運営を学ぶ。

現在はマレーシアでの店舗拡大や日本食の普及に尽力し、将来的にはグローバル展開を目指している。

ーまずは自己紹介をお願いします。

ルーベン:
元年堂ローカル責任者のルーベンです。今年29歳になり、F&B(Food&Beverage)業界でのキャリアは11年目を迎えます。18歳でこの業界に足を踏み入れ、最初の4年間は西洋料理店にて勤務しました。同店では、ウェイターとしてキャリアをスタートし、シニアウェイター、スーパーバイザーへと昇進を重ね、最終的にはレストランマネージャーの職務を担いました。その後、系列店の立ち上げプロジェクトに参画し、ランカウイにて2年半レストランマネージャーを務めた後、クアラルンプールに戻り、伊勢丹の日本食レストランに勤務しました。伊勢丹では、フロアマネージャーとして6つの異なる日本食レストランのオペレーションサポート全般を統括しておりました。

西洋料理から日本食の世界へ:元年堂で掴んだ日本研修のチャンス

ー日本食に興味を持ったきっかけは何ですか?

ルーベン:
元々西洋料理をやっていましたが、自分の市場価値を上げるために何か他の料理も習得したいと思っていました。特に2019年頃からマレーシアでは日本料理と韓国料理が流行し始めていたので、どちらかの分野に挑戦したいと思っていました。そんな時、伊勢丹から声がかかり、日本食の世界に入ったことが直接的なきっかけとなりました。

以前の仕事を辞め、F&B業界でのキャリアをさらに発展させたいと考えていたところ、カルチャーリンクマレーシアから声をかけてもらい、エージェントを通して面接を受け、最終的に採用していただきました。

ー元年堂(カルチャーリンクマレーシア)のどういった点に魅力を感じ、応募に至ったのでしょうか。

ルーベン:
日本食は原料から調理方法、配膳方法まで西洋料理とは全く異なります。日本食の上質な素材にも惹かれていましたし、何よりも
学ぶべきことが多いので、もっと多くの知識と技術を吸収したいという強い意欲がありました。

また、カルチャーリンクマレーシアの提供する日本での研修機会は、私にとって非常に大きな魅力でした。日本食や日本文化について学べることに心からワクワクし、初めての海外研修は私のキャリアにおいてかけがえのないチャンスだと確信しました。

日本食については今でも学び続けていますが、その奥深さに触れるたびに、学ぶべきことは尽きないと実感します。自分の持てる力を最大限に活かし、お店に貢献していきたいという入社当初からの想いを持ち続けて働いています。

ー現在、元年堂ではどのような役割を担っていますか?

ルーベン:
元年堂のローカル責任者を務めています。日本での研修で習得した知識と技術を活かし、料理の品質管理を始め、マレーシア人スタッフへの調理指導、お客様への提供方法の指導などを担当しています。

サービスの提供やアシスタント業務に留まらず、キッチンの品質維持にも深く関わることが私の重要な仕事だと考えています。

ー日本での研修では、具体的にどのようなことを学ばれたのでしょうか?

ルーベン:
日本での研修では、そばの調理技術、天ぷらの揚げ方といった基本的な調理技術はもちろんのこと、レストランのオペレーション全般、キッチンの運営方法、そしてチームの組織運営についても学びました。

具体的には、ランチタイムやディナータイムにおける人員配置、開店準備から閉店作業まで、レストラン運営に関わる全てのプロセスを経験しました。

日本研修中に行われたテレビ取材の様子

 

ー研修を通じて、特に印象に残ったことはありますか?

ルーベン:
サービスに関してマレーシアとの大きな違いを感じました。私は日本語が話せないため、サービス業務にはあまり携わることができませんでしたが、日本の駅近のそば屋の独特な文化に触れることができました。

私が研修を受けた三島市の店舗は駅のすぐそばにあり、多くのお客様が電車に乗る前のちょっとした時間にそばを食べるためお越しくださいます。そのため、食事を終えるとすぐに駅に向かう方が多く、10分から15分程度で退店されるのが一般的でした。これはマレーシアでは見られない光景で、非常に新鮮な体験でした。マレーシアでは、食事を早く食べ終えたとしても店内でゆっくりと過ごす方が多いですから。

ー日本での仕事環境で驚いたことはありますか?

ルーベン:
年齢層の幅広さに驚きました。16歳から70歳まで、様々な年齢層の方が同じように働いており、全員が同じレベルの仕事をしていることに感銘を受けました。マレーシアでは、高齢者や若年層はなかなか働く機会が得られないことが多いのですが、日本では年齢に関係なく活躍できる環境があることに感心しました。

ーチームワークはいかがでしたか?

ルーベン:
チームの皆さんは非常に協力的で、困った時にはいつも助けてくれました。言葉の壁はありましたが、チームのサポートのおかげで研修を乗り越えることができました。

ー日本で学んだことで、マレーシアでも活かせると感じたものはありますか?

ルーベン:
日本人の礼儀正しさは、マレーシア人も学べるところがあると思います。日本人は誰に対しても相手を尊重する姿勢があると思います。非常に親切な人が多く、相手を助けようという気持ちが言葉を発さずとも伝わってきます。そのような人と接するのは気持ちが良いものです。

TikTokとハラール認証:日本食のマレーシア市場へのアプローチは?

ーマレーシアではそばを始めまだ日本食が一般的ではないですが、これから日本食を広めていくためにはどうすれば良いと思いますか?

ルーベン:
現在、レストラン業界は競争が激しく、高級レストランから小さな飲食店まで、ソーシャルメディア、特にTikTokを積極的に活用しています。また、インフルエンサーの影響力が非常に大きいため、インフルエンサーを活用したソーシャルメディア戦略は鍵になると思います。

ーインルエンサーの活用が鍵なのですね。マレーシアの人口全体の約60%はマレー系の方々で、イスラム教徒が多いですよね。豚肉やアルコールを口にしない彼らに日本食は受け入れられると思いますか?

ルーベン:
はい、十分に可能性があると思います。マレー系のイスラム教徒の方々に日本食を楽しんでもらうためには、ハラール認証を取得することが非常に重要です。ハラール認証があれば、イスラム教徒の方々は安心して食事をすることができます。

ーそばについてはどうでしょうか?

ルーベン:
マレーシアにおいて、そばはとんかつやラーメンほど広く知られている料理とは言えません。そのため、まずはそばの健康上の利点をアピールしたり、ローカライズした新しいメニューを開発する必要があると思います。

また、マレーシア人は民族に関わらず温かい食事を好む傾向が強いです。そのため冷たいそばはまだ馴染みが薄いかもしれません。まずは温かいそばを提供し、徐々に冷たいそばの魅力を理解してもらうのが良いと思います。

 

元年堂マレーシアの厨房の様子

ー元年堂での今後の目標を教えてください。

ルーベン:
まずはこのパブリカ店を成功に導き、マレーシア国内での店舗数を増やしたいです。さらに将来的には他国への店舗展開をし、グローバルな事業拡大を実現したいです。また、個人的な目標としては元年堂のトレーニングマネージャーになりたいと考えています。

ーマレーシア進出を検討している日系企業に対するアドバイスはありますか?

ルーベン:
まず一度現地にお越しいただき、出店を検討している地域を視察されることを強くおすすめします。マレーシアは公共交通機関が十分に発達しているとは言えず、多くの人が自家用車での移動を主な手段としています。また、人口増加に伴い、平日の朝夕の通勤ラッシュ時には深刻な交通渋滞が発生しています。

このような状況で人々は日々大きなストレスを感じており、移動に時間を費やすことを避ける傾向にあります。そのため、自身の居住エリアから離れた場所への来店は敬遠される可能性が高いです。そのため、出店候補地を直接訪問し、現地の状況を詳細に把握することが不可欠だと思います。

ー最後に、元年堂のおすすめメニューを教えてください!

ルーベン:
元年堂の看板メニューであるスペシャル天ぷらそばは外せません。そして個人的にはスパイシーチキンぶっかけそばもおすすめです。ぜひ食べに来てください!

海外進出をご検討されているものの、具体的な進め方が不明確なお客様へ。
弊社では、マレーシアにてそば店運営とテストマーケティングが可能な企画展示会スペースを運営しており、会計やマーケティング、店舗開発のスペシャリストを集めた専門チームがお客様の課題解決を支援いたします。

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