創業120年の老舗が挑む、
マレーシアでの「本物のダシ」改革。
有限会社西尾商店(静岡県静岡市) 様
- 業界・業種
- 食品製造・卸売(静岡県静岡市/削り節の製造直売・海外輸出)
- 感じていた課題
- ・国内市場が縮小する中、海外でのブランド確立を目指したいが、足がかりがなか
った。
・6年前のロサンゼルス視察で、現地の日本食に「ダシの風味」が足りないという原
体験があった。
・高品質な削り節が、現地の価格感や味覚、ハラール文化にどう受け入れられるか、
認証取得のコストに見合う市場があるか未知数だった。
- 支援結果
- ・現地消費者22名を集めたワークショップを実施。 「うま味」への反応を直接確認。
・現地バイヤーへの同行営業を実施。現地で流通を担うローカル企業様の声とニーズを直にヒアリング。
・ドバイでラーメン店を経営する兄弟と偶然遭遇し、その場で商談成立の可能性が浮上。
・「ハラール認証」の重要性を痛感し、日本国内認証取得→現地生産(JAKIM取得)と
いうイスラム市場も視野にいれた構想を描けた。
- 提供サービス
- SNSプロモーション(認知・集客)
・現地ニーズ調査し、可視化できるようにスコアリング化
・現地卸の選定及び商談セッティング、企画提案書作成(英語)
・ハラール認証取得に向けたアドバイスとロードマップを提示
静岡県静岡市にあり、明治39年から続く削り節の老舗「有限会社西尾商店」。
平成30年には同社の「いわし削り」が天皇杯を受賞するなど、その確かな技術と伝統を誇ります。
独自の「遠赤外線焙焼」技術と、魚介の脂が乗る春の時期に1年分をまとめて買い付ける独自の目利き力により、常に安定した最高品質の商品を提供し続けています。
4代目代表の西尾透雄氏は、「日本が誇る『ダシ』文化を世界へ届けたい」という志のもと、2025年、マレーシア・クアラルンプールへ渡りました。
CULTURE LINK MALAYSIAが運営する「元年堂」でのワークショップや、現地バイヤーとの熱のこもった商談を通じて見えてきたのは、日本にいては分からない「ハラール認証の壁」。そして、それを乗り越えた先にある「巨大な市場の可能性」でした。
今回の視察と挑戦について、CULTURE LINK MALAYSIA代表の野口が西尾社長にお話を伺いました。
有限会社西尾商店(静岡県静岡市)
だし屋 西尾商店は、削り節産業発祥の地とされる静岡県蒲原で、百有余年の歴史を持つ老舗です。 主に鹿児島・枕崎・山川・長崎・土佐・焼津御前崎から旬の原料を厳選し、独自の遠赤外線焼節製法で旨みと香りを凝縮しています。 安定した商品提供、「味」、衛生的な工場での「安心」を三本柱とし、本物のだしをご家庭で簡単に楽しめるよう提供しています。 特に「いわし削り節」は、国内最高峰の農林水産祭「天皇杯」を受賞した自慢の逸品です。
https://nishiosyouten.com/

Culture Link Malaysia. Sdn.Bhd
元年堂の運営母体。マレーシア・クアラルンプールで十割そばを提供する元年堂を運営しつつ、日本企業やアーティストなど日本文化、日本の作品を展示する“ギャラリースペース”を併設。海外進出支援やテストマーケティングのサポートを行っている。
▼だし屋西尾商店
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▼元年堂マレーシアクアラルンプール
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ロサンゼルスでの「違和感」が、マレーシア挑戦の原点
元年堂(野口):
西尾社長、帰国早々お疲れ様です。今回はかなり濃密なスケジュールでしたが、そもそもなぜ今、海外、それもマレーシアだったのでしょうか?
西尾社長:
きっかけは6年前、ロサンゼルスの日系スーパーでの販売会でした。現地の日本食レストランで食事をした際、どうしても「何かが足りない」と感じたんです。見た目は日本食でも、ダシの風味が弱い。私たちが普段当たり前に感じている「香り」や「奥深さ」がなかったんです。
元年堂(野口):
海外の日本食あるあるですね。
西尾社長:
ええ。でも裏を返せば、そこに私たちの存在意義があると思いました。マレーシアを選んだのは、親日国であり、アジアのハブとして多様な食文化が混ざり合っているからです。実際に行ってみると、やはりここでも「美味しいけれど、もう一味足りない」と感じる場面が多かったです。私たちの削り節を使えば、現地の飲食店の味を劇的に変えられる。その確信を得るための旅でした。
ワークショップで見えた「サーディン(いわし)」への新しい認識
元年堂(野口):
今回はバイヤー商談だけでなく、現地の一般消費者の方に向けたワークショップも開催しました。反応はいかがでしたか?
西尾社長:
22名の方に参加していただきましたが、非常に学びが多かったです。特に面白かったのは「いわし削り」への反応です。マレーシアでも「サーディン(いわし)」は缶詰などで馴染みがある食材ですが、「乾燥させて削る」という発想は彼らにありませんでした。
元年堂(野口):
初めて見る食材だったわけですね。
西尾社長:
そうです。でも、実際に削りたてをご飯にかけて食べてもらうと、皆さんの表情が一変しました。「美味しい!」という笑顔がこぼれるんです。デザートとして出した「昆布パウダーがけバニラアイス」も衝撃的だったようです。昆布のうま味がアイスの甘みとコクを引き立てるのですが、「これ、お店のメニューになるよ!」と大絶賛でした。理屈ではなく本能で「UMAMI」を感じ取ってくれる。この体験を提供できれば、間違いなく市場は作れると感じました。



偶発的な出会いこそ、現地に行く醍醐味
元年堂(野口):
バイヤーや飲食店向けの営業も積極的に行いました。特に印象に残っている商談はありますか?
西尾社長:
現地の食品商社である「A社」さんや「B社」さんへの訪問ですね。そこで提案したのは、ラーメンスープへの活用です。既存のスープを薄目に希釈して、そこに弊社の「パウダーだし」を入れる。すると、コストを抑えつつ、魚介のうま味が爆発的に増すんです。この提案は非常に刺さりました。
元年堂(野口):
現場で即興の実演をしたのが良かったですね。
西尾社長:
あと、本当に驚いたのが「B社」さんでの商談中、たまたま隣のブースにドバイでラーメン店を経営しているご兄弟がいらしたんです。彼らにもその場でパウダーだしを試してもらったところ、「これは使える!」と非常に興味を持っていただいて。
元年堂(野口):
すごい偶然ですよね。ドバイへの展開の可能性まで見えてきた。
西尾社長:
ええ。もし日本でメール営業をしているだけだったら、絶対にあり得ない出会いです。現地のキーマンが集まる場所に身を置くこと、そして現地のコーディネーターに繋いでもらうことの重要性を痛感した瞬間でした。

偶然 居合わせたドバイのラーメン店を経営している兄弟との商談風景
「ハラール認証」は、A5ランクの和牛とスーパーの牛肉くらい違う?
元年堂(野口):
一方で、マレーシア進出の大きな壁となるのが「ハラール認証」です。この点について、現地の反応はどうでしたか?
西尾社長:
そこはシビアな現実を突きつけられましたね。商品は「美味しい」と言ってもらえる。でも、ハラール認証マークがあるかないかで、商談のステージが全く変わってしまうんです。現地のパートナーがおっしゃっていた例えが忘れられません。「日本のローカルハラール認証と、JAKIM(マレーシア政府ハラール認証)の違いは、軽自動車とレクサスくらい違う」と(笑)。
元年堂(野口):
その例え、本当に分かりやすいですよね(笑)。
西尾社長:
はい。リッツカールトンやハイアットといった5つ星ホテル、大手スーパーの棚を取るには、やはり「JAKIM」同等の信頼性が必要なんです。ただ、最初からハードルの高いJAKIMを目指すのではなく、まずは日本の認証を取得して輸出を開始し、ゆくゆくは現地生産拠点を設けてJAKIMを取得する。そんな具体的なロードマップが見えたのも、現地に行ったからこその収穫です。
補助金を活用して「攻め」の視察を
元年堂(野口):
最後に、コスト面や補助金活用についても、経営者として気付いた点があれば教えてください。
西尾社長:
今回のような渡航は、ただの「視察旅行」にしてしまうともったいないです。CULTURE LINKさんのように、現地でバイヤーを集めて商談会形式に仕立ててくれるパートナーがいれば、それは国の補助金制度における「展示会出展」や「販路開拓事業」として認められる可能性が高くなります。
元年堂(野口):
おっしゃる通りです。大きな展示会のブースに立つだけが展示会ではありません。
西尾社長:
私たちは今回、静岡県の補助金や、小規模事業者持続化補助金などの活用も視野に入れて動いています。「お金がかかるから行けない」ではなく、「補助金を活用して、現地で濃厚な商談をするために行く」。そういう発想の転換ができれば、中小企業にも大きなチャンスがあるはずです。
元年堂(野口):
力強いお言葉、ありがとうございます。次は4月、ハラール認証取得の報告を持って、またマレーシアに行きましょう!

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